医師資格のない光脱毛でエステサロン経営者ら逮捕
2014年4月9日
2014年4月8日、兵庫県姫路市のエステティックサロンで、医師の資格をもたずに医療行為に該当する光脱毛を行ったとして、経営者らが兵庫県警生活経済課に医師法違反の疑いで逮捕されました。
医師免許が必要な光脱毛機を無資格で使用していた
医師法違反(無資格医業)の容疑で逮捕されたのは、同県姫路市東駅前町のエステティックサロン「ハニーフラッシュ」の経営者、亀山道弘容疑者(50)と同市の元店長の女性ら、合わせて3人です。亀山容疑者らは、2011年8月から同年10月頃までの間に、使用には医師免許が必要となる光脱毛用の機械を、医師免許を持たない従業員に使わせて、医療行為に該当する脱毛を行った疑いがもたれています。
「ひざや手にやけどをした」と客が警察に相談
同店による無資格の医療行為は26歳から46歳の女性客4人に対して行われました。このうち1人の客が警察に対し、「ひざや手にやけどをした」などと相談したことから違法行為が発覚し、逮捕に至った模様です。県警は2014年2月、同店を捜索し、脱毛機やカルテなどを押収。2011年3月~2014年2月までの計310人に、やけどなどを訴える記述があったとしています。
光脱毛をめぐる行政の判断
厚生労働省は2001年、脱毛行為について「レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為を医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反する」と通知しています。また、国民生活センターによれば、やけどなどの脱毛エステにおける健康被害の相談件数は、厚労省通達があった2001年度も158件、07年度に至っても全国で228件の報告があるとしています。
経営者、施術担当者、そして消費者も問われる光脱毛の認識
取り調べに対して亀山容疑者は、「脱毛行為が悪いこととは思っていなかった」と話しており、容疑を否認しているとのことです。しかし、故意であれ過失であれ違法は違法です。これはエステサロン経営者や従業員だけでなく、消費者もきちんと理解しておかなければなりません。
厚労省の通達にある「強力なエネルギーを有する光線」の線引きをより明確にする必要はありますが、もしも「強力な光線」に該当するのならば、エステでの無資格者による光脱毛は違法の脱毛行為ですし、やけどなどのリスクも非常に高くなるということです。今回のこの事件はその典型例と言えるでしょう。
脱毛のサービス提供側が違法な脱毛行為を提供しないよう務めるのはもちろんのことですが、脱毛を受ける消費者側も、それが法に触れていない正しい脱毛なのかどうかについて、よりシビアな意識をもつ必要があるのではないでしょうか。