衝撃の調査結果!エステ脱毛と健康被害の関係
2014年9月17日
兼ねてから施術後の肌トラブルの多さなどで、その安全性を疑問視する声のあった光脱毛用の脱毛機器ですが、この度、厚生労働省研究班が行ったアンケート調査によって、健康被害との深刻な関連性が明らかになりました。
調査団体の代表は、エステ事業者の安全管理に対して警鐘を鳴らしています。
患者の41%エステの脱毛施術が原因
厚生労働省研究班は2013年8月から11月にかけて、日本美容皮膚科学会所属の皮膚科医らを対象に「エステ関連の健康被害を診察した経験があるか」について調査を行い、その結果を今年8月6日に発表しました。
有効回答をした医師331人中、148人が「ある」と回答し、エステ利用後に健康被害を訴えるケースが相次いでおり、患者324人のうちワキやスネなどに脱毛の施術を受けていたケースが最も多く、全体の41%にものぼったそうです。
調査回答の自由記述には「脱毛効果を出すために、必要以上の出力で機器を使用している」として、事業者側の施術内容について指摘する医師の声もみられました。
治療期間に1ヶ月以上を要する場合も
また、同調査ではエステ後に受けた健康被害の治療について、完治までに要する期間も調べました。多くは1~2週間を要するもので全体の35%を占めました。長期間におよぶものでは1ヶ月以上かかる場合ケースが18%と、トップに次いで2番目に多い結果となったのも驚きです。この結果から見ても、健康被害には程度の重いものも少なくないことが分かります。
専門家からは安全管理徹底を求める声
今回の調査を行った厚労省研究班の代表者、東邦大教授の関東裕美氏は、「エステで使われる光脱毛の機器の不適切な使用でやけどをするケースが多い」と指摘しました。「事業者は安全管理を徹底すべきだ」とも話しており、事業者や業界への警鐘を鳴らしています。
調査の詳細はこちらで公開されています。
エステティックの施術による身体への危害についての原因究明及び衛生管理に関する研究(pdf)
料金ではなく安全性で選んだ脱毛を
こうした健康被害に遭わないためにも、サービスを利用する前に、しっかりと知識を身に付けておくことは、とても大切なことと言えます。
光脱毛は費用などの面から見て魅力もありますが、機械の出力が弱いため、レーザー脱毛に比べると効果が得にくかったり、効果を出そうとすると無理な出力でしなければ医師や看護師ではなくエステシャンが施術するので医学的な資格はないとみていいでしょう。脱毛の資格があればまだ安心はできますが、多くの場合、スタッフ個人の「経験」に頼って施術のクオリティを維持している場合がありますので不安は残ります。
また、万が一、肌にトラブルや健康被害が生じた場合も、医療機関ではないのですぐに診察や治療が行えません。ですので、今回の調査のように医療機関に相談に行かなければならなくなります。
料金が安いという理由だけで安易にとびついてしまうと、後々後悔することにもなり兼ねません。事業者側が安全管理により一層の努力を注ぐのは当然求められることですが、サービスを利用する消費者側に「効果と安全性で選んで脱毛する」という認識がもっと広がることも、同じくらい重要なポイントかもしれません。
(参考出典:【共同通信】 2014/08/06 19:25)
(参考出典:理美容ニュース 2014/8/09)